初雪(ナス×朝) ※朝くん歩けます。 「雪、ですね。」 頬に冷たい何かが当たったと思い、手で拭った。 そうか、雪が降ってきたのか。 隣で空を見上げて、嬉しそうに雪を眺める朝が、 なんだかいつもより、より儚く、綺麗に見えた。 「風邪ひくから、早く帰ろうぜ。」 「そうですね、ナスくん。」 寒そうに、細く白い手を擦り合わせ、温めている朝の片手を取り、 俺の手と一緒に、ジャケットのポケットにつっこんだ。 「ふふ、暖かいです。」 「だろ?」 朝はもう片手の手を自分のポケットに突っ込み、 小声で、暖かいと、もう一度呟いていた。 早く帰って、コタツに入らないとな。 そして二人でみかんを食うんだ。 「でも、初雪をナスくんと見られて嬉しいです。」 ふいに、そんな事を言われ、思わず顔がにやける。 「俺も。」 寒くても、もう少し、雪を眺めながら帰るのも悪くねぇな。 ポケットの中の手を、ぎゅっと握りしめた。 (SSは某ドリーマーから頂きました。)