「ハロウィンパーティするお!」
いつもより頬を染め高揚しながら、机をドンと叩き、梅は目をキラキラさせながら俺たちに言葉を放った。
「ハロウィン?」
「パーティ?」
「コスプレして、お菓子を食べるんだお!」
「お前がいつもやってるコスプレじゃなくて、ハロウィンって確かお化けや魔女や吸血鬼の変装だろ?」
「ナス!そうだお!ファフ様の吸血鬼姿をみるんだお!!!」
《また始まった…》
「大体、ハロウィンってなにすんの?」
豆が豆乳をいつものように啜りながら、質問してくる。確かに、日本ではまだあまり馴染みの無いお祭りである。
「確か、変装してトリックオアトリートって言ってお菓子貰うんだよな?」
「ファフ様の吸血鬼姿がみられるんだお!」
「トリックオアトリートって何?」
「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞって意味だったような…」
「い、いだずらだおー!!そんなファフ様の吸血鬼姿で悪戯ー!!」
「確かカボチャの彫り物とか飾るんじゃなかったっけ?」
「ファフ様のカボチャの彫り物ー!」
「それは違うような「おもしろそーじゃん。ハロウィン」」
「お菓子を用意してなかったら悪戯していい日なんだなー」
「ファフ様に悪戯!」
「「やろう!」」ガシッ
「お、おう」
そういうことになった。
ーーー
「で、なんで僕の屋敷でやるのさ?」
「一番雰囲気でるおー!ファフ様は吸血鬼姿だお!デルタさんは切り裂き魔風によろしくだお。」
「強制なの?!」
「ちなみに、梅は血塗れナースだお!ナスはー、死神でー、豆は包帯男でしょ、イオタさんは神父、オムはゾンビ、ケチャプ
はキョンシー、トマトさんはセクシー魔女!お兄ちゃんはフランケンシュタインだお!それから松、竹は蝙蝠とかネズミでー、
グザイさんは狼男、チキンさんはチキンの被り物…」
「ちょっと待って待って、何人くるの?」
「沢山だお!」
「はぁー…わかったよ、梅ちゃん。沢山人が来ても大丈夫な僕の屋敷でやろう。料理も用意しておくよ。(僕が吸血鬼であい
つは神父なのか…)」
「やったおー!!ありがとだお!押し掛けて良かったお!流石ファフ様だお!!!吸血鬼姿とカボチャプリンよろしくだおー
!」
ピュピュピュピューン!
(毎度ながら嵐のように騒いであっと言う間に去っていく子だなぁ…でもハロウィンか…楽しそうだな。…神父かぁ。)
「嬉しそうですね。」
「き、気のせいだからデルタ!!さぁ、間に合うようにさっさと準備始めるよ!」
「はい。」
ーーー
パーティ当日
「うわぁ、凄い人数だお!」
「お前が呼んだんだろ」
「うん!数珠繋ぎ式で私の知らない人も来ても大丈夫って言ったら、知らない人だらけになったお!うひゃー!壮観だお…
!!」
「え?」
「うわぁ、あの人スゲー。」
「ほんと凄いお!声掛けてくるお!…お兄さんコスプレ凄いお!!そっちの世界でら有名なプロのレイヤーさんかお?!梅
が知らないって事は外国の方がお?名前は?何処からきたのかお??」
「いや、これは普段から着慣れている。私はサタン。魔界より来りし者だ。」
「なりきってるおー!!プロの方凄いおー!あっちにも凄い人だらけだお!!!眼福眼福ー!」
ーーー
「うわー、冗談で言ったのに…本物きちゃってるよー…やばいかなこれ…」
「あれは…中層上層の人達?!もしかしてイオタ?!」
「げ、ファフちゃん!」
「イーオーター!!!」
「や、やめてー!あ、悪霊退散!悪霊退散!」
「あっちでは吸血鬼と神父が格闘してるぞー」
「おー!やれやれー!」
「え、そういうパーティなんだ」
「じゃあ俺達も暴れて盛り上げますか。」
「あらあら」
「あーん桃がフランケンシュタインになってるーv」
「男は近寄るなー!ドゴーン!」
「俺の方が強いぜ!」
「今日は死霊と話しててもひかれない素敵なパーティですね泣」
「死霊そんなにあるなら僕が連れて行こうか?」
「きゅーきゅきゅーん?」
「成敗してやる!」
「わー、お祭りだー!おばけ?お盆なの?」
「酒持ってこーい!」
バーン!ドーン!ガシャーン!
ーーー
「本物のお化け屋敷みたいになったな。」
「僕の屋敷が…あぁ」
「ふぁふさまー!トリックオアトリートだお!」
「え?」
「お菓子をくれなきゃ」
「「「「「悪戯するぞー!」」」」
「うわぁー!悪戯するにも程があるよー!!」
ちゃんちゃん☆
後日談。沢山楽しんで、思う存分お菓子やら食べ物を食べ尽くした中層と上層の人達の不思議な力のおかげで前よりちょ
っぴり立派な屋敷に戻ったそうです。良かったねふぁふさま!